現在デイキャンプやテント泊など日常から離れて自然を満喫できるアウトドアに魅了されている人たちが増えてきているようです。
アウトドアに人気が出てきている理由として、BBQや山登り、ちょっとした風景を楽しみながら散歩気分でのハイキングなど、多岐にわたった楽しみ方を自分流にアレンジできるからです。そんな楽しい趣味のアウトドアを仕事にして、起業した先駆者が居るのをご存じでしょうか?今回は趣味から仕事に繋げたきっかけなどを調べてみました。
小杉敬氏の経歴
小杉敬氏は1972年に新潟県で生まれ。
アウトドア(キャンプや登山など)を少年時代から経験していたというアクティブな少年だったそうです。
中学・高校と進学した後、大学ではなくデザインの専門学校へ入学。
専門学校卒業後は大手アウトドアメーカーに就職し、仕事を続けていく中で野心に火が付き職場を退職。
その後「ゼインアーツ」という名のアウトドアブランドを2018年に立ち上げ、翌年には“ゼクーM”というテントを販売し、予約段階で即完売するなどお客様からの評価も高く、グッドデザイン賞ベスト100にも選出されました。
趣味のアウトドアで起業したきっかけと理由
大手アウトドアメーカーで働いていた際に「会社とは、働くとは、アウトドア業界にもっと自分のできることを残したい」という強い気持ちが湧き上がり、自分自身が本当にやりたい仕事と生活のリズムなどを大事にしたいと思い「起業」を決意。
幼少時代からキャンプや登山をしていたこともあり、アウトドアの知識も豊富な小杉敬氏は、どのような商品を作り出せば喜ばれるかを理解していると自負しており、独創性と実用性がつまった商品を一切の妥協しない、そして揺るぐことのない精神で2018年に選りすぐりのメンバー5名の社員と共に「ゼインアーツ」を立ち上げることになりました。
会社を長野県の松本市に選んだ理由
登山が趣味で、学生時代から北アルプスに登るために松本市によく訪れていた小杉敬氏。
神秘的な山々に囲まれた山岳風景が見渡せる長野県に、いつかは住んでみたいという憧れがあったといいます。
その中でも松本市を選んだ理由は、アウトドアのイメージである山が身近にあることや、物流を行う上でも利便性が良い日本の真ん中だということ。
また、街の規模がコンパクトで肩ひじ張らずに自分らしく自然体で生きられる場所だと感じたことだそうです。
キャンプクリエイターとしてのこだわり
現在のキャンプメーカーは海外ブランドよりも日本製のものが多く出回っている特殊な業界になっているようで、他の商品に比べて価格競争が生まれにくく、メーカーが価格を決められることもあり一つひとつの価格がかなり高く設定されているそうです。
価格競争して安かろう悪かろうが乱立することもよくはないことですが、今の価格がキャンプなどを始めてみようと思う新しい顧客層にも障壁となっていることに憤りを感じています。
海外ブランドは大量生産している分費用も安くできるのですが、できれば日本製のものをより多くのお客様に使っていただけるようにするにはという思いもあり、「ゼインアーツ」では少数精鋭の5名という少ない従業員数ということでコスト削減に成功しています。
もちろん安いからといって機能性を落とすのではなく、アウトドア愛好家もアウトドア初心者もどちらにも満足して頂ける機能を装備し、かつデザイン面でも妥協はせず「ゼインアーツ」の製品の良さを全ての人に届けたいという想いだと小杉敬氏は仰ってます。
起業するにあたっての資金はどうしたのか?
起業するにあたっての資金は、金融機関から借りることなくすべて自己資金でまかなったそうです。
その理由は、借りたら返さなくてはいけないからと笑いながら答えた小杉敬氏。
ただ、この先未来性のある事業やみんなに喜ばれる商品作り、起業への熱意などで賛同を得ることが出来れば、自治体などの支援制度などもあり資金調達もできるそうです。
起業してから事業をすすめるにあたって必要なこと
小杉敬氏は最低でも3年の事業計画は必要としていて、5年先まで見据えることが重要だと仰っています。
よくマーケットでは5年先、10年先の事業計画といっていますが、さすがに10年という年月は軌道修正などをしていくうちに事業案なども変更され変わっていくこともあるので、「ゼインアーツ」では1年毎に売り上げが目標達成しているか?経費がどれだけ掛かっているのか?見直しをしていくそうです。
何が起こるかわからない昨今、どんな非常事態になったとしても会社を潰さないように事業計画・売上・経費を見直すことで、従業員やお客様に満足のいく会社として今後も生き残り続けられるよう企業努力をしているそうです。
今後はどのような商品開発をする予定か?
現在キャンプブームの中、同じアウトドアでもある登山をする人が減ってきているので、アウトドア業界全体を盛り上げるためにも、今後は登山者向けのテントを作ってみたいと仰った小杉敬氏。
登山が好きでこの業界に入ったので、得意なテントやタープを充実させて「ゼインアーツ」のコンセプトである、『いいものを安く』を提供し、トレンドとは一線をひいた機能性と美を兼ね備えたミニマムでカッコよく、尚且つ自然に溶け込むアウトドアギアをコツコツと作っていきたいとのことです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
社名の「ゼインアーツ」とは、『”座”して半畳、”寝”て一畳』(必要以上には望まず満足することが大切)の座(ZA)と寝(NE)を取って「ZANE ARTS」と名付けたといいます。
「ゼインアーツ」の経営理念は、経営面でも決しておごらず、富にこだわるわけでもなく人のために尽くしていきたい。
小林敬氏の熱い想いが込められたキャンプギアたちは、アウトドアを心から愛しているからこそ自分が楽しむだけではなく、そのギアを使ってくれるお客様のことを考えた商品だからこそ愛されている会社だということがお判りいただけたかと思います。
好きなことを会社に属して業務として行うのではなく、自分のやりたいことをやりたいように子供心をくすぐるような小杉敬氏の想いに共感できたのではないでしょうか?
今後の展開にさらなる期待が高まりますね!!