エルサルバドルという国をご存じでしょうか?
聞いたことがない、知らない方が多いかと思います。
エルサルバドルは小さな国ですが、世界遺産に登録されたマヤ文明の遺跡や美しい火山湖など見どころもたくさんあります。
そこで今回は、エルサルバドルという国を知らない方のためにどこの場所にあるのか?
また、治安や観光などをまとめてご紹介します。
エルサルバドルはどこにある?
エルサルバドルの場所は北米と南米をつなぐ海峡部の中米(中央アメリカ)にあり、隣国はグアテマラとホンジュラスで、中米7ヶ国の内、唯一カリブ海に面していない小さな国です。
中米(中央アメリカ)とは
グアテマラ・ベリーズ・エルサルバドル・ホンジュラス・ニカラグア・コスタリカ・パナマ
エルサルバドルについて
●正式名称:エルサルバドル共和国
●首都:サンサルバドル
●通貨:米ドル及びビットコイン
●公用語:スペイン語
●面積:21,040平方キロメートル
●産業:農業(コーヒー、砂糖など)・繊維縫製産業、
エルサルバドルの国名は、スペイン語で『救世主』を意味します。
16世紀にスペイン軍がこの地を占領して砦(トリデ 外敵の攻撃を防ぐための建造物)を築いたときに神様への感謝を込めて、砦名を「サン・サルバドル=聖なる救世主」と名付けたことが由来となっています。
エルサルバドルは九州の約半分くらいの面積で、人口は約660万人。
人口密度は中米で一番高く、多くの人が首都のサンサルバドルやその周辺に住んでいます。
民族はスペイン系白人と先住民の混血が約84%、先住民は約5.6%、ヨーロッパ系約10%となっていて、宗教はカトリック教が多いとのこと。
通貨は米ドルを使っていますが、2021年9月から”ビットコイン”も法定通貨として併用しています。
これは、世界で初めての試みとのことです。
エルサルバドルの気温
エルサルバドルは年間を通じて暑く、平均気温や湿度もかなり高い国。
雨季は5月から10月まで、乾季は11月~4月となっています。
太平洋側は暑く、首都のサンサルバドルを含む中央高原や山地などは比較的過ごしやすい気候となっています。
エルサルバドルの国民性
エルサルバドルは中米のラテンアメリカ諸国の1つということもあり陽気なラテン系のイメージがありますが、真面目で勤勉な働き者が多く、「中米の日本」とも呼ばれています。
特に家族をとても大切に思っていて、親族で誕生日などをお祝いしたりと家族の結びつきを大事にしています。
多くはないですが日本人も住んでいて、子どもたちの笑顔や家族を大切に思う心は日本と変わらないとのことです。
エルサルバドルで有名なもの
エルサルバドル産コーヒー
エルサルバドルはコーヒーの産地として有名で、日本へも輸出を行っています。
過去には世界第3位のコーヒー生産国になったことも。
パカマラ種というコーヒー豆はとても希少で甘みと酸味のバランスが良く、フルーティーな香りが特徴。
現地では、コーヒー農園を訪れたり現地のコーヒーショップで味わったりすることもできます。
ププサ
ププサは、エルサルバドルのソウルフードです。
見た目は日本のおやきを大きくしたのような感じで、トウモロコシの粉で作った薄い生地に肉やチーズ・豆のペーストなどを詰めて平たく焼き、クルティード(キャベツや玉ねぎなどで作った漬物のようなもの)と一緒に食べます。
エうサルバドルでは朝食や昼食に食べる人も多く、シンプルですがボリュームがあって美味しい国民食で、屋台やレストランでも手軽に楽しめます。
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エルサルバドルの治安は?
エルサルバドルの治安は、よいとは言えません。
世界の中で治安が悪い国ランキングでベスト10内に入っていて、中米(中央アメリカ)内では1位のホンジュラスに続き2位がエルサルバドルとなっています。
エルサルバドル 治安が悪いのはナゼ?
エルサルバドルの治安の悪さの背景には、経済的な貧困が主な原因となっています。
天然資源も乏しく失業率が高いことから犯罪組織に関わる若者も多くて、ギャング集団による暴力や犯罪が横行。
社会問題が深刻な状態となっていて、市内の学校や施設などあらゆる場所に銃を抱えた警察官が警備しています。
現在、日本政府や国際協力機関、国際NGOなどがエルサルバドルの自立的かつ持続的な開発に協力していて、保健医療や水・衛生、教育などの分野で支援をしています。
国際協力機構のJICA(ジャイカ)では地域警察の導入や普及に力を入れ、日本の地域警察活動を参考した方法をエルサルバドルの警察官にも伝授し、犯罪を予防するために努めています。
また、教育や職業訓練など地域住民とのコミュニティ活動を行い、モノづくりなどで収入を得て生活が安定するように自立のためのサポートもしています
エルサルバドルの観光について
エルサルバドルは治安が悪いというイメージが強いかもしれませんが、首都のサンサルバドルは近代的なビルやショッピングモールなどが立ち並び、古代マヤ文明の遺跡や歴史ある教会、火山や美しいビーチなどの見どころがたくさんあります。
観光客に人気のスポット
ホヤ・デ・セレン
エルサルバドルで唯一のユネスコ世界遺産登録された古代遺跡。
西暦590年頃に起きた火山の噴火によって埋もれたマヤ農耕民の集落がほぼそのまま保存されていたことから、「メソアメリカのポンペイ」とも呼ばれています。
保存状態がよくて細部までみれることから、観光客に人気です。
サンタ・アナ火山
標高が約2,400mのエルサルバドル最大の活火山。
アクセスが良く、頂上からはエメラルドグリーンの美しい湖や森林、また、エルサルバドルを代表する景勝地の1つである「コアテペケ湖」も見渡せ観光客に人気のスポットとなっています。
そこから見る素晴らしい景観に感動すること間違いないでしょう。
サンタ・アナ大聖堂
エルサルバドルで最も美しい大聖堂。
世界の美しい聖堂100選にも選ばれたこともある大聖堂で、巨大で先端が尖っているゴシック様式で建てられていて、外観は白くひと際目を引く建物です。
古都サンタアナにあり、この周辺は美しい建築物が多く人気のスポットとなっています。
ロザリオ教会
サンサルバドル市内にあり、別名「虹の教会」と言われています。
外観は地味ですが教会内部にはたくさんのステンドグラスがあり、光が差し込むと虹のように七色に輝いてとても幻想的です。
お天気がよい昼間にいくのがおすすめです。
エル・ボケロン国立公園
標高1,800mで火山の頂上にある国立公園。
展望台からは、100年前に大噴火した火山のクレーターがみえ、直径が5㎞、深さが500m以上もあり迫力があります。
静かに大自然を体感できるため、旅行客が多いスポットです。
エルトゥンコ
サーファーの聖地。
エルサルバドルの国民的スポーツでもあるサーフィンを楽しみに、多くのサーファーがやってきます。
サーフィンはレンタルもあって教えてくれます。
周りにはホテルやレストラン、バーなどもあって観光客も多く賑わっています。
エルサルバドルへの行き方
エルサルバドルに行くには日本からの直行便はなく、アメリカやメキシコなどの国を経由して「コマラパ国際空港(エルサルバドル サンサルバドル)」までが一般的です。
日本からは乗り継ぎ時間を含めると17時間~19時間のフライトとなり、空港からサンサルバドル市内まではタクシーかシャトルバスで約40分くらいかかります。
旅行する際には注意が必要
●夜間や早朝は外出しない。
●昼間でも話しかけられたら警戒を。
●人通りが少ない場所にはいかない。
●安全な区域で滞在・観光する。
●目立つ格好をしない。
夜間の治安はとても悪いので、犯罪に巻き込まれる確率が高まります。
昼間でも話しかけられて気をそらした瞬間に、仲間が盗むということもよくあります。
そのために、カメラや高価なアクセサリーなどは持ち歩かず、目立たないようにすることも大切です。
まとめ
エルサルバドルは中米(中央アメリカ)にある小さな国です。
天然資源が乏しく失業率も高いために経済的な貧困が原因で治安が悪い国でもあります。
しかし、現地の方たちは真面目で勤勉、家族思いの方たちが多く、そういった意味では日本と似た国民性を感じます。
治安の面では懸念されることもありますが、日本政府や国際協力機関などの協力により治安の安定化を目指している最中です。
エルサルバドルには世界遺産や歴史的建造物、美しい火山湖など多くの観光スポットもあり、今後経済が発展することで貧困による治安が改善されていき、エルサルバドルの魅力を多くの方に知って頂ける日が来ることを祈っています。