日光東照宮は江戸幕府初代将軍の徳川家康を祀る神社であり、世界遺産にも登録されています。
また、日光東照宮には、多くの都市伝説が残されています。
これらの都市伝説は、日光東照宮の歴史や文化をより深く理解するためのヒントになるかもしれません。
今回は、日光東照宮に伝わる都市伝説について、秘められた謎や不思議な現象・幽霊伝説などをまとめてご紹介します。
日光東照宮の秘められた謎
日光東照宮には、未だに解明されていない謎が数多く存在しています。
その中でも、最も有名な謎の1つは徳川家が隠した埋蔵金の所在で、その埋蔵金が、日光東照宮のどこかに眠っていると言われています。
日光東照宮は国宝8・重要文化財34を含む55棟の建造物が建ち並んでいて、日光東照宮内にある宝物館では、御祭神徳川家康公の遺愛品をはじめ、朝廷や将軍家・大名家からの奉納品、当宮の祭器具などが収蔵、展示公開されています。
しかし、当時約400万両とも言われた徳川埋蔵金が未だ見つかっておらず、そのありかは謎に包まれています。
この謎は、埋蔵金が秘密裏に隠されているためとされています。
埋蔵金のありかについては、いくつかの仮説が存在しています。
その中でも有力だと言われているのは、わらべうた「かごめかごめ」に隠された暗号というもの。
わらべうた「かごめかごめ」の歌詞
かごめ かごめ
かごの中のとりいは
いついつ出やる
夜あけのばんに
つるとかめがすべった
うしろのしょうめんだーれ
歌詞に隠された暗号とは?
●かごめ⇒竹で編まれたかごの網目⇒六芒星の形
●かごの中のとりいは⇒籠の中の鳥居⇒六芒星の中心にある神社⇒日光東照宮
●夜あけのばんに⇒夜明けの晩⇒夜明けの暮れ⇒夜明け前(日の出)
●つるとかめがすべった⇒鶴と亀が統べる(まとめる・統一)
●うしろのしょうめんだーれ⇒徳川家康の墓⇒後ろの祠に六芒星のマーク
六芒星は天地や陰陽を表しているとされていて、陰陽道との深い関わりがあり、古来より魔除けの意味があるとして使用されてきました。
徳川家康は神道の神々とのつながりを深めることに力を入れていたと言い、事実、関東近郊で徳川家ゆかりの地にある神社仏閣(日光東照宮・江戸城・駿府・佐渡金山)を線で結ぶと六芒星のマークになっています。
「かごめかごめ」の歌詞を紐解いていくと、日光東照宮の夜明け前に光が差し込む方向につるとかめの銅像と徳川家康の墓があり、墓の後ろの祠には六芒星のマークがあります。
実はその六芒星のマークは一部欠けていて、真下を示すようにもみえるのです。
ということは、その下に徳川埋蔵金があるのかも・・・。
実際に地質の調査をしたところ、土地や石以外の何かが埋まっていることが判明しています。
しかし、残念ながら日光東照宮は世界遺産に登録されており、国宝もあることから掘ることができないとのことですが、それは表向きの理由で、本当は歴史が変わるものがあるから掘らないというウワサもあります。
徳川埋蔵金のありかは、未だに解明されていない謎として残っています。
日光東照宮は、その美しい建築や歴史だけでなく、謎に包まれた要素も魅力の1つとなっていて、日光東照宮の魅力を一層高めています。
日光東照宮の不思議な現象
日光東照宮には多くの不思議な現象があり、その中でも最も有名なものは日光東照宮の建物がなぜ倒壊しないのかということです。
一ノ鳥居
日光東照宮の石鳥居は、鶴岡八幡宮(神奈川)・八坂神社(京都)と並び「日本三大石鳥居」といわれています。
実は、この石鳥居がズレても元に戻るという不思議な現象が・・・。
石鳥居は、日光東照宮の表参道を歩いて行くと最初に見えてくる「一ノ鳥居」のことで、高さ9.2m・横6.7m・太さ3.6mもあります。
約70年前に起きた大きな地震の際に継ぎ目がズレてしまったそうですが、しばらくしてから元も状態に戻ったとのこと。
その後の調査でわかったことですが、この石鳥居には15個のパーツが組み合わさった構造をしていて、継ぎ目部分は中が空洞になっていますが、隙間を空けて木の柱(心棒)を入れれることで、地震でズレても余震など再度揺れても自然と元に戻るという構造になっているようです。
五重塔
日光東照宮内に建立されている五重塔は、柱が宙に浮いています。
この柱は心柱といい、五重塔の真ん中に位置していて、地面から10㎝ほど浮いています。
心柱は懸垂式(ケンスイ)といわれる造りで、地面に固定しないことで地震などの揺れがきたとしても吸収し柔軟に動くので、揺れを逃がす役割があり、免震の技術が取り入れられているとのこと。
懸垂式(ケンスイ)といえば、吊り下げ式のモノレールが良く知られていますが、現代にそびえたつ東京スカイツリーもこの技術が応用されているとのことです。
また、五重塔といえば下の層から上の層にかけて屋根の大きさが小さくなっていくものですが、日光東照宮の五重の塔は、下からすべての屋根が同じ大きさとなっています。
これは、日光の土地ならではの気候が関係していて、日光は山間部に位置していて積雪が多いことから雪で建物が傾かないように造られているそうです。
日光東照宮の建物はすべて木造で建てられていますが、地震や台風といった自然災害にも耐え続けています。
この耐久性の秘密は日光東照宮の建築技術にあり、接合部など非常に精密に加工されているために建物のゆがみが生じにくくなっているようです。
400年も前から免震や土地ならではの構造が取り入れられていたと思うととても不思議で、その知恵と技術を結集した日光東照宮の建物は、厳しい自然環境にも負けず、美しさを保ち続けることができるのです。
日光東照宮の幽霊伝説
日光東照宮では、武士の霊がでる・目撃されてたとの幽霊伝説があります。
今の時代では考えられませんが、昔は武将の後をおって殉死する家臣もいたようです。
事実、日光東照宮の近くには江戸幕府の基盤を造った徳川家康や秀忠・家光の死後、殉死した家臣たちの墓があり、全部で24基祀られているとのこと。
日光東照宮で目撃されたという霊は、もしかしたらこれら家臣の霊なのかもしれません。
今も尚、徳川家を守っているかのようにも思えます。
また、この日光という土地は、数々の霊が目撃されているというウワサも・・・。
幽霊の目撃があったとされる場所をご紹介します。
1.神橋
日光山の入り口にかかっているこの橋は神橋(シンキョウ)といい、朱塗りの美しい橋として観光スポットとなっています。
この神橋は日本三霊橋の1つで、現世とあの世の境「三途の川」とも言われていて、心霊や怪談で有名なタレント「稲川淳二」さんの階段に登場する橋です。
本来の意味は、奈良時代に勝道上人(ショウドウショウニン)が修業のために日光山へ入った際に、大谷川の激流に行く手を阻まれ神仏にご加護を求めたところ仏教の守護神が現れて2匹の蛇を放ち、橋になったという伝説を持つ神聖な橋です。
しかし、日光東照宮にも近く家臣の霊の目撃や霊を引き寄せる水辺ということもあり、幽霊が現れるという心霊スポットとして語られています。
2.化け灯籠
日光東照宮の西隣に位置している日光二荒山神社。
1200年もの歴史があり、日光山信仰の始まりとなった古社です。
そこにある青銅製の灯籠は、夜になり火が灯されると不思議な現象が起こるとして恐れられていました。
”何度油を入れても入れてもすぐになくなる”・”周囲のものが二重に見えたり灯篭が動き回る”などのウワサがあり、それらのことから「化け灯篭」と呼ばれるように・・・。
江戸時代、そのウワサにより夜間見回りをしていた武士たちが退治をすべく、その「化け灯篭」に切りつけたとう伝説が残っています。
その灯篭には現在も尚70ヶ所の切り傷が残っていて、恐怖のあまり何度も刀で切りつけたことが想像できます。
それ以降その不思議な現象は治まったとのことですが、海外では「ゴーストランタン」として知られています。
3.化け地蔵
日光東照宮から車で5分くらいの場所に憾満ヶ淵(カンマンガフチ)という渓谷があります。
その渓谷には慈雲寺というお寺があり、70体にも及ぶ地蔵が並んでいますが、行きと帰りや時間によっては地蔵の数が違ってるとか。
来た人を化かすということから「化け地蔵」とも呼ばれていて、夜になると独特な雰囲気を醸し出しています。
ここでは、女性の幽霊が出るウワサがあり、少女の幽霊が目撃されているそうです。
地蔵は何のために建てられたのか?
もしかしたら、それらの供養のためなのかもしれません。
4.六方沢橋
日光東照宮から車で約20分のところにある六方沢橋(ロッポウザワハシ)。
霧降高原道路の途中に位置するこの橋からは、晴れた日には関東平野の雄大な景色が見渡せるとして奥日光の観光スポットになっていますが、この橋では心霊現象がいくつも起こっているそうです。
”橋から下の谷底を見ているうちに飛び降りたくなる衝動に駆られる”、”いくつもの手が伸びてきて引きずり落されそうになった”などのウワサが・・・。
実は六方沢橋は自殺の名所としても有名で、これまでに飛び降り自殺や集団での自殺未遂事件もあったとのこと。
この付近には頻繁に濃霧が発生しやすく、これまでにも心霊写真が写っていたこともあったそうで、成仏できていない霊が、集まっているのかもしれません。
5.華厳の滝
日光東照宮から車で30分のところにある華厳の滝。
日本三大名瀑の1つである華厳の滝は、近くにある中禅寺湖から流れる湖水が高さ97mから一気に落下する姿は壮大で、中禅寺湖と共に奥日光の観光スポットとしても有名です。
この華厳の滝にも心霊現象のウワサがあり、”心霊写真”や、”足を引っ張られて落ちそうになった”、”霊感が強い人の身体に異変が起こり動けなくなった”という証言もあり、これまでに自殺もあったそうです。
日光東照宮がある場所は日光山信仰の地であり、昔から霊的な力があると信じられてきました。
これまでに不思議な現象や幽霊伝説がありますが、日光東照宮の幽霊に関して真相ははっきりとはわかっていません。
これらの話は都市伝説であり科学的に証明されたものではありませんが、それにもかかわらず多くの人たちが幽霊を目撃したという話は、日光東照宮が特別な場所であるというイメージを持っているからなのではないでしょうか。
また、周辺では自殺で有名な場所もあり、霊の目撃証言があります。
日光には広大な大自然や由緒ある寺社仏閣、美しい渓谷など神秘的な要素がたくさんあり、救いを求めてやってくる方も多いのではないかと思われます。
霊には原子や水などの分子が必要で、これらが整うと霊がもっとも可視化されやすくなるそうなので、神秘的な要素がつまった日光の地に心霊現象が起こるのかもしれません。
まとめ
今回は、日光東照宮に伝わる都市伝説について、秘められた謎や不思議な現象・幽霊伝説などをまとめてご紹介しました。
日光東照宮は徳川家康を祀る日本の神社であり、その美しい建築と豊かな歴史によって世界遺産に登録されています。
この神社には多くの興味深い都市伝説が伝えられていますが、日光東照宮に関する不思議な現象や霊については、徳川家に仕えた家臣たちが殉死しており、徳川家を守るための何かしらの強い力が働いているのかもしれません。
また周辺の心霊現象については実際に自殺なども起こっているために、目撃された霊や不思議な体験などから考えると成仏できていない霊たちの可能性も。
日光山には霊的な力があると信じられてきたために、引き寄せられているのかもしれません。
日光東照宮には謎や不思議な現象の証言もありますが、美しい自然環境に囲まれており、緑豊かな境内や山々の美しい景色を楽しめます。
歴史や伝承の中に秘められた謎や不思議な要素に触れることで、より一層日光東照宮の神秘的な魅力が味わえるのではないでしょうか。
訪れた際には日光東照宮の魅力をご自身の目で確かめていただき、その素晴らしさを体感してみてください。